「亡き少女の為のパヴァーヌ」日記。(ネタバレ注意)

こげどんぼ*先生のコミックブレイド連載作品、
亡き少女の為のパヴァーヌ」。
4巻まで読みました。
これはなんというか、あまりネタバレしたくない感じです。


しかしそれでは感想も考察も書けないので。
珍しく(ネタバレ注意)です。
自分がこう書くときは割と本気ネタバレをします。
加えて、できるだけ事前情報なしで読んでいただいて、
それでどう思うか、というところが肝のように思うものに対して、
あらかじめ(ネタバレ注意)と書いています。


作品に出会うきっかけはつい2日前。
何気ないゆかりんにきーから、気がついた人がいて。
既にラジオドラマが放送されることが決まってるようで、
ゆかりんも出演する、と。
それはぴたテンの美紗さんのような子で。
で、この作品を既に読んでる友人から勧められて、昨日買ってきた。


1巻。
第1楽章。
1巻の最初から登場人物紹介ページがあるのが意外。
それもいきなり多い。
主人公・相模竹之丸。神奈川県出身。
ああ、神奈川だから相模、ね。
加賀奈々緒。石川県。
神田美紗希。東京都。
若林仲恵。宮城県
萩日加里。山口県
島原美和。長崎県
島原ミネ。長崎県
松前るもゐ。北海道。


と、ここまで読んで。
松原るもゐは、留萌とも掛かってるなぁ。
ん?待てよ?
加賀奈々緒。・・・七尾?
萩日加里。・・・光?
須磨・キャセリン・舞子。兵庫県
難波あさひ。大阪府。旭区か。
中村千種。愛知県。中村区と千種区か。
室戸香美。高知県
嵯峨野右京。京都府右京区か。
わかんないのもあるけど、名字も名前も地名に掛かってるのか。


じゃあ竹之丸ってなんだ?
横浜市中区竹之丸。
おお、あるんだ。
じゃあ美紗希、っていうのは?
→神田三崎町。
うおお、知らなかった、そんな地名があるのか。
若林仲恵。若林区はわかるとして、なかえ?
宮城県仙台市青葉区中江。
島原美和。
長崎市三和町(さんわちょう)、かな?
島原ミネ。
長崎県対馬市峰町。対馬の地名なのか。
須磨・キャセリン・舞子。須磨区はわかるとして。
異人館「キャサリン・アンダーソン邸」。神戸市垂水区「舞子の浜」。
ほえー。そういうのがあるんだ。
室戸香美。室戸市室戸岬はわかるとして。
香美市。旧香美郡。
ほえー(以下略


ううむ。地名だけでヒロインの名前を作っていくっていうの、面白いですね。
すごい設定凝ってるなぁ、と。
ぐぐったのはこの日記を書くにあたってですが、
1話目を読む前から、地名をあれこれ考えたりしてました。


では、ここからが相当ネタバレでいきます。
引き返すなら今のうち。

神田美紗希考察

あらためて1話。
自分としては神田美紗希というキャラがどういう子なのか、
という視点で読み始めている。
加賀奈々緒がまず神田美紗希と出会う。


―4巻までの読後の感想だと、ここも相当気になる点である。
竹之丸にはある目的があり。
加賀奈々緒が、その最初となる。
奈々緒を導いたのは美紗希ではないか?と思える点。
美紗希は、奈々緒には自己紹介をしている点。
竹之丸にはしていない―?
あと、ぴたテン!を最後まで読んでる人なら
美紗さんの湖太郎への呼称が「コタロー」だったのが、
実はある伏線だった、というのをご存知だと思います。
ゆえに。
美紗希の、竹之丸への呼称の違和感にはすぐ気がつきました。
美紗希は竹之丸のことを常に「調べの君」と呼んでいる。
一度も名前で呼んだことはない。
きっと理由があるのだろうと思う。
伏線なのだと思う。


竹之丸の契約については2話で、具体的に。
で、契約がこういうものだとして。
天使との契約。
神田美紗希はぴたテンの美紗に非常に似ていて。
「てひひ」とか言うし。
人物紹介には背中に羽根のような飾り、と。
「天真爛漫」と。てんし・・・んらんまん?
謎めいた部分については、美紗希自身の話は未(ま)だ出てこない。
ただの学友として描かれている。
また、ヒロインの1人でもあるので、マリアス・ヘルツは渡される場面がある。
その渡すシーンが、誰よりも不自然だったような?
そして、マリアス・ヘルツにはいくつか形があるようだが、
今のところ唯一のハート型のマリアス・ヘルツを渡されている。
美紗希の話が描かれるとするならずっとずっと後だと思う。
ぶっちゃけ、人気投票での順位に関わらない子かもしれない。
マリアス・ヘルツがいくつ必要かはわからない。
定石で行けば7個だと思うが・・・。
でもそうだと明示されているわけでもないし。
ゆえに、話をたたむ時に描かれるのでは・・・と。


話の結末はどうなるのだろうか。
いつか終わる使命なのか。
天使と呼ばれる者の目的は?
ただ単にそれが対価、というだけなのか―?
続きは非常に気になる。

時代設定など

1話と2話の間など、こげ先生の時代設定の説明があります。
とてもわかりやすい、明治40年代とその前後の背景です。
ただ、教科書に載ってる分すら忘れてる方にはちんぷんかんぷんかも^^;
出てくる用語がわかる方ならわかりやすいと思います。
そういえば、ぴたテンの、美紗と紫亜の関わる時代設定って確か・・・。
あとで読み直しておこうと思う。


2話でだいたいの筋書きがわかるわけですが。
痛いですね^^;
ハートにズキっ、と来ます。
そこを味わうのが、この作品の面白さだと思います。


第2楽章。
若林仲恵登場。
この子は美紗希とはまた別で、終盤扱いな気がします。
竹之丸の過去、生い立ちと、契約についてここで描かれますが。
仲恵の過去と、7年間についてはまたいずれ、なんだろうか。


奈々緒について。
(後始末は天使が・・・?)
ここは漠然とそういうことになっている。
だが、話が進むに連れ、痕がいろいろ残っていく。
奈々緒のことについてもいつかは広まるんじゃ。石川出身だし。


2巻。
第3楽章。
斬られた竹之丸。身体がぼんやりしてきて。
奈々緒のことを思う。
こんなに苦しいのか、と。
痛みが伝わってくる。


想えば想うほど切なくなっていく。
美香の言い分に謎を残しつつ。
美和の含みが気になりつつ。
そこのところは当人から明かされることなく。
謎めいて終わった気がする。
こうして続く物語なのか。
さすがに心が持たないのでは。
と思うと、その葛藤と、契約をやめるとどうなるのかの恐怖。
竹之丸はもう、幸せになる道なんてあるんだろうか?と思う子。


3巻。
第4楽章。
この3巻がまぁ〜〜〜〜素晴らしく痛々しい!
こんな結末もあるのか、という部分もあるけれど。
やはりお互いの心の揺れと。
前章で居場所について触れてありつつ。この結末で。
相模先生の過去から来る竹への言葉。
前章でもあった、後悔はしないように。


マリアス・ヘルツの色は染まるだけでなく、
色が引いていくこともあったり、変化することがある、ということ。


あと美紗希は怒るとうさぎを投げつけるw
ぽこっ、って当たるw


あと思えばこのシーンも。
美紗希の提案だったな。
バッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲」
を弾いたのって。
ここで千種も絡む。
千種は出番が無さ過ぎて謎。
だが、竹之丸に何かを感じている、あるいは見抜いている感がある。
これもいずれ、だろうか。


4巻。
新キャラの名はナリタ・下総。千葉県出身。
マリアス・ヘルツを竹に渡し、どこか上から目線。
渡されたということは竹が狙われているということ―?
その話は気になるなぁ。
その話が早めに来るように、
ああいう嫌みったらしいところだけを描いてるととれなくもない。


第5楽章。
香美と美和と、ミネと。
香美の章なのだがどうにも美和の動きが不穏。
ナリタは天使が怒っていると伝え―。
実際、その通りのようで。
聖女の涙を手に入れたのはどこか成り行きで。
マリアス・ヘルツがどこで割れたかも定かでは無く。
なんか・・・どこか、本来の契約とは別の、
竹之丸の状況の変化の中で起きたことなのでは、と。
そういう意味でかわいそうだと思った。
このかわいそうというか、報われない度合いも、
前章の方が大きかったと思うし・・・。


4巻はここまで。
そして第6楽章の一部を連載で見てるわけですが・・・。
ミネのところから引っ張ってた流れが明かされたのかな?
そこは5巻で途中まで読めると思うけど。
6章はちょっと長めらしいですね。
そして7章は誰になるんだろ・・・。


それでもうラジオドラマやってるわけでしょ。
ゆかりんの演じる役がどんなものか気になって、
原作に触れてみたのですが。
考察するほどに謎めいて。
そしてたぶんしばらく明かされることの無い設定だと思うし。
神田美紗希とは一体、どのような存在なのか?
今は学友としているけれど。
気になりますなぁ。


こげ先生のすごいなーと思うところは、各巻末に参考資料一覧があるのですが、
1ページの半分くらいが資料名で埋まってることです。
すごい細かい字で。
明治という時代考証と。
音楽と、楽器、主にヴァイオリンについてと。
ヒロインの出身地とその方言設定と。
めちゃめちゃこだわって描かれてるんだなー、と思います。
学がある人ならもっと気づく部分が多いんだろうなぁ。


胸が痛くなる展開が続く中、続きが気になります。